リールには主にスピニングリールとベイトリールがあります。日本の2大メーカーとしてはダイワとシマノがありますが、今回はダイワのスピニングリールの技術についてご紹介します。最新の技術は一体どのような技術なのでしょうか?
ダイワのスピニングリールには隠れた技術があった
道具は使うほどに劣化し、時間とともにトラブルの原因になっていきます。少しでもトラブルを防ぐには一定以上の品質の道具が必要です。ダイワのスピニングリールには見た目では分からない技術が使われています。その技術について説明していきます。
①リールにつてのおさらい
リールのメーカーは国内・国外含め何社もありますが、国内では主にダイワとシマノがシェアを握っています。今回ご説明するダイワのリールには大きく分けてスピニングリール、ベイトリール、電動・両軸リールという種類があります。またスピニングリール1つにしても投げ釣り用、ルアー釣り用、フカセ釣り用等があり、さらに対象魚種ごとに細かく型式が設定されています。
②ダイワについて
1955年に松井製作所という社名でリールの製造を始めました。その後、大和精工株式会社(1958年)、ダイワ精工株式会社(1969年)、グローブライド株式会社(2009年)と社名が変更になり現在に至ります。現在までに国内・国外に子会社を多数設立。釣り以外にも自転車・ゴルフ・テニス事業を手掛けています。その中で、釣り事業は「DAIWA」ブランドで展開中。また、「DYFC」(ダイワ ヤング フィッシング クラブ)を1976年に発足し、子供たちに釣りの楽しさを伝えています。
③スピニングリールについて
スピニングリールは釣りの入門用として最適です。仕掛けを投げることが前提のため様々な釣りに対応します。ハンドルを巻く力をギアで回転力にするため、ギア比を変えることによりハンドル1回転当たりの糸巻量を変えることができます。糸を巻く速度と巻くときのパワーが反比例するため、どちらを重視するかで型式などが変わります。
④錆(金属腐食)について
スピニングリールは回転部分など可動部が多くさらに隙間が多いため、塩水が内部に入りやすくなっています。塩水は金属腐食の原因になり、手入れをしないと回転不具合や異音等のトラブルの原因になってきます。1度腐食してしまうと元には戻りませんので、内部に入った埃や海水は注意する必要があります。
⑤ダイワの技術マグシールド
ダイワのスピニングリールにはマグシールドが施されている物があります。マグシールドとはダイワが自信を持って宣伝している構造で、「ボディとローターの隙間に磁性を持つオイルの壁を作ることで海水や埃などの侵入をシャットアウトする防水構造」とあります。つまり、防水や防塵能力がありますよということです。また、世界で初めてボールベアリングそのものをマグシールド化し、ボールベアリング自体も長持ちします。
⑥ATDシステム
ドラグの調整をして糸の出る力を決めていても、マグロなど大型の魚がかかった時ドラグを使用して糸を出すと、ドラグの力が変化していきます。ダイワのスピニングリールに搭載されているATD(オートマチックドラグシステム)は、この変化が少なくファイトの途中でこまめにドラグ調整をしなくても良いシステムになっています。
⑦カーボン繊維ザイオン
リールの素材にはアルミニウム・マグネシウム・樹脂があります。アルミニウムは腐食しにくいが重い。マグネシウムは軽いが腐食しやすい。樹脂は軽くて腐食しませんが、強度は弱い。この中でマグネシウムは特殊加工により腐食しにくくする技術ができました。ただし重量は樹脂の方が軽いため、ダイワは樹脂によるスピニングリールの開発に着手。試行錯誤の末、樹脂の中に一定量のカーボン繊維を混ぜることで、強度と軽さを兼ね備えることに成功します。名前を「ザイオン」とし、一部のスピニングリールにこの素材を使用しています。
⑧まだまだある技術
ダイワのスピニングリールの技術のうち代表的なものを述べましたが、まだまだ沢山の技術が詰まっています。なめらかな回転「デジギア」、糸ヨレ改善「ツイストバスター」、糸絡み解消「エアベール」、バックラッシュ対策「アンチバックラッシュシステム」、軽量化貢献「エアローター」、瞬時にブレーキ「クイックオンオフレバーブレーキ」、スピニングリールのブレ低下「ワンウェイオシレーション」等です。これからも新技術を開発しどんどん改善進化していくことでしょう。
⑨カスタムについて
ダイワにはカスタム部品の販売があります。子会社のスポーツライフプラネッツ(SLP WORKS)です。カスタムは、車で言うとホイール交換やエアロなどを付ける感覚です。スピニングリールの部品としてはスプール・ハンドル・ノブ等です。個性的に仕上げて周りの人と差をつけたい人はお勧めです。
いかがだったでしょうか?
ダイワの歴史からスピニングリールに使用されている技術までをご紹介しました。次にリールを購入される際は、さらに新技術が盛り込まれているかもしれません。その技術を確認しながら使用するのも楽しいかもしれませんね。